マーサミアー作曲【小人の行進】ピアノ演奏難易度② 

ピアノ演奏難易度別曲紹介

ファンタジーとミステリアスの両立

ピアノ演奏難易度②

マーサミア作曲

小人の行進

ワクワクさせる仕掛け

 

森の小道

作曲者ミアーは子どものころバッハ、ベートーベンなどの堅いクラシック音楽でレッスンを受けていてあまり楽しくなかったそうです。

大人になって子どもにピアノ指導をはじめ、楽しく魅力的な曲を使ってレッスンをしたいという想いが強くなります。

「自分が弾きたい曲なら子ども達は頑張ることが出来る。そして音楽的に表現することも覚えられると思うのです。」
と語っています。

楽しい題やジャズ風のおしゃれ響きはそんな気持ちが反映されているのでしょう。

子どものための曲集は、目次を見るだけでもワクワクします。

「けっけっ毛虫」
「ピ・ン・ク」
「ピカピカのお金」
「ほうきにのった魔女」
「虹の色」
「眠そうな猫」
「テントウムシのブギ」

などなど。

「どんな曲だろう?」

と聴いてみたくなりませんか?

標題音楽と絶対音楽

題といえば…。

クラシック音楽は題(標題)のない曲とある曲があります。

題のない曲というのは「交響曲第一番」や「ソナタ第2番」など。

タイトルを聴いただけではどんな曲かわからない曲です。

これらは作曲者が「明るくパッと華やかなメロディーを際立たせたい」といった音楽的なイメージのみで作ったような曲です。

「絶対音楽」といいます。

 

対して「標題音楽」は作曲者が

「明るくパッと華やかな桜の咲く様子を曲にしよう」

と、音楽以外の事柄や想いが加えられた音楽です。

音楽以外のところに意味づけられるということ。

考えてみれば現在、世の中に溢れる音楽はロックやポップスにしろ映画音楽からゲーム音楽まで「標題音楽」的な音楽で大半が占められていますね。

(厳密には歌詞がある曲は「標題音楽」とは呼ばないのですけれども。)

今を生きる私たちは、音楽を聴くと何らかの意味付けをする癖がついているのかもしれません。

絶対音楽は意味付けがしにくい…。

クラシック音楽のハードルが高いのはこの辺が原因な気もします。

もちろん「小人のマーチ」は「標題音楽」のチームです。

ファンタジーな題に反して曲調は少しミステリアスな雰囲気。

子どもは(大人もかな)かわいいものが好きですけれども、同じくらいブラックなものやシュールなものに惹かれますよね。

妖怪ウォッチなんかその典型的な例です。

この曲から連想するのはヨーロッパに伝わる小人ドワーフやノーム。

長い髭を蓄えた姿のおじいさんです。

もしかしたら映画ハリーポッターのゴブリンみたいな小人を想像する人もいるかも。

ファンタジーと怖いもの見たさ、両方の欲求を満たしてくれる曲です。

この曲が好きな人へのお勧め

土人の踊り(中田喜直)
小人のマーチ(グリーグ)
金平糖の踊り(チャイコフスキー)
歌劇サロメの7つのヴェールの踊り(リヒャルトシュトラウス)