マーサミアー作曲【4時の紅茶】ピアノ演奏難易度②
ピアノ演奏難易度別曲紹介
女子力発揮、至福の「お茶の時間」です
ピアノ演奏難易度②
マーサミアー作曲
【 4時の紅茶 】
子どもと音楽を愛したミアー先生
作曲者のマーサ・ミアーは1936年生まれのアメリカ人の作曲家兼ピアニストです。
1936年は昭和11年、226事件の年。
そういうと古い時代に感じられるかもしれませんが、数百年のクラシック音楽の歴史上では現代に分類されます。
ミアーは作曲家、ピアニスト、ともう一つピアノの先生の顔も持っています。
長年子ども達にピアノを教えてきた先生らしく、その曲からは子ども達と音楽に対する愛情が伝ってきます。
されはまず第一に 標題にあらわれていて、子どもでも身近に感じられる題材を扱っているので曲を聴く前から興味を惹かれます。
そして、そのシンプルで愛らしいメロディーと現代的な音のおしゃれな響きが楽しい気持ちにさせてくれるのです。
まずはみんなで「お茶の時間」にしましょう
この曲の題、「4時の紅茶」の意味は「アフタヌーンティー」のことでしょう。
「3時のおやつ」より少し遅いのは、夕食の時間が夜9時ごろだったから。
19世紀中頃の英国では、1日2食が普通だったそうです。
そのため夕食が始まるのは、夜も更けた午後9時過ぎ。
夕食までの空腹にたえかねた7代目ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアが、午後4時ごろに紅茶と軽い食事をとったのが午後のお茶会「アフタヌーンティー」の始まりといわれています。
「アフタヌーンティー」というと高級ホテルでの優雅なお茶と豪華なお菓子のイメージをもつ方が多いかもしれません。
けれども この曲の生まれたアメリカではもっと身近で家庭的なイメージ。
たとえば小説「赤毛のアン」には頻繁に「お茶にご招待」という言葉が出てきます。
出てくるというよりキーワードかもしれませんが。
アンが心の友ダイアナに過ってお酒を振舞ってしまった「イチゴ水事件」や牧師さんに薬の入ったケーキをお出ししたのもお茶の時間。
「赤毛のアン」の舞台はカナダ。
元イギリス領だったので「アフタヌーンティー」の習慣が根づいていたのでしょう。
アンのお家は農家ですから、一般的な家庭でも毎日「お茶の時間」を楽しむことが習慣だったのが分かります。
そして時には人を招いて主婦が腕を振るったのでしょう。
アンの育ての母マリラは出来る主婦なので、相当気合の入ったおもてなしをしていた描写がありました。
女子力、主婦力(?)の見せ所だったのかしら。
そういえば「不思議の国のアリス」でも一年中お茶会を開催している紳士のエピソードがありました。
女子ばかりではなく紳士達も楽しんでいたのですね。
確かイギリス映画では囚人にも「お茶の時間」があるのを描いているのを見た気がします。
「お茶の時間」だけはどんな人も平等に至福の時間が与えられていたのでしょうか。
紅茶といえば
「ボストン港をティーポットにしてやるー」
と叫んでお茶箱を海に投げ捨てたとかいう事件。
世界史の授業で習いました。
なかなかパンチの効いたセリフが記憶に残っています。
この事件がアメリカ独立戦争のきっかけになったのでしたっけ。
アメリカ誕生のきっかけが紅茶だったというのは興味深い話です。
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