ドミトリー・カバレフスキー作曲【道化師】ピアノ難易度⑦

ピアノ発表会 難易度別曲紹介

ロマンチックな曲に居心地の悪さを感じる子どもに人気曲

カバレフスキー作曲

【道化師】

ピエロ

例えば発表会に出演するモチベーションが

フワフワのドレスを着ることで上がる女の子がいます。

フワフワドレスに似合うのは華やかなワルツなど。

一方で

フワフワドレスではモチベーションがあがらない女の子、男の子。

性格的、年齢的含め。

ピアノは好きだけど、キラキラした華やかな曲を弾くのが目標ではない。

そういう子どもに人気のある曲です。

旋律、和音よりリズム重視の子ども。

そんな子には最適。

ちょっと不思議なメロディーとだまし絵のようなリズムが魅力です。

王様だって怖くないのが道化師なのです

サーカスでの道化師の役割は

曲芸と曲芸の間に芸をすることで

観客の余韻を冷めさせないこと。

おどけ役とかいいます。

はじまりは

曲馬ショーと曲馬ショーとの間に

曲馬乗りを下手に演じたり

パロディをしたりしていたことだそう。

歴史的には

宮廷に使える道化師もいて

君主に対して失礼なことを言える唯一の存在でした。

お笑い芸人が政治的なことをネタにするみたいな感覚かな。

王様でも怖くなかった道化師もいたとか。

出世街道を進んだ作曲家

作曲はロシアの作曲家、ドミトリー・カバレフスキー。

1904年ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。

父親は数学者。

息子にも経済や数学の道を選ばせたかったようですが、カバレフスキーは幼少期から音楽に興味を持ったようです。

一見すると父親が望んだのと正反対の進路を選んだようですが

数学と音楽はとても相性のよい分野です。

今つかっている音階も数学的に考え出されたものですから。

平均律とか純正律というはなし。

数学的なことに興味のある人にはとても面白いはなしなのでまたゆっくり書きたいです。

多分頭がよかったのは勉強だけではなかったのでしょう

カバレフスキーの生きたのは旧ソビエト時代。

なので、多くの作曲家が当局のプレッシャーを感じて大変な思いをしていました。

そんな中カバレフスキーは、社会主義的国家の枠組みの中で地位を極めたそう。

そして子どものための作品もたくさん作り、幼年教育にも力を入れました。

子どものための「単純明快さ」

社会主義ソビエトが掲げた「社会主義リアリズム」

これらを絶妙なバランスで同居させたのがすごいです。

 

同世代のプロコフィエフやショスタコーヴィチと比べても、明るく、明解。

「道化師」もまさにその代表作。

子どもでも弾ける難易度でありながら、軽快な曲調を持ち、不思議と爽快感も感じられます。

  この曲が好きな人へのお勧め

「魔法使いの弟子」テュカス

「道化師のギャロップ」カバレフスキー

「剣士の入場」フチーク