池辺晋一郎作曲【マッチ棒のマーチ】ピアノ演奏難易度②
ピアノ発表会 演奏難易度別曲紹介
音楽を聴いて映像が浮かぶ子どもに人気
演奏難易度②
池辺晋一郎作曲
マッチ棒のマーチ
単純な同じリズムの繰り返しと次々変化する和音の響き。
そのコントラストが面白い曲です。
メロディーの「タタタッ タタタッ」
伴奏の「タッタッタッタッ」
単純なリズムの反復は中毒性ありです。
題名の面白さ、音楽の面白さ、ともにとても映像的です。
音楽を聴いて頭に映像が浮かぶ子どもにとっては
たまらん一曲だと思います。
マーチは普通2拍子で書かれることが多いのですが
この曲は4拍子。
マーチにしてはのんびりした雰囲気です。
兵隊さんの行進というより運動会の行進みたいな。
マッチ棒の運動会って…。
ほんと想像力がとまりません。
ダジャレおじさんはすごい人
池辺晋一郎は茨城県水戸出身の作曲家です。
現代日本のクラシック作曲家の大御所・・・
というより
N響アワー司会者として知られているのかも。
番組では「ダジャレ」を常に言ってたので有名でした。
作品は沢山あるのですが
合唱曲が有名です。
テレビドラマや映画音楽なども多数。
大河ドラマ
「独眼竜正宗」
「八代将軍吉宗」
「元禄繚乱」
黒澤明監督の映画
「楢山節考」
「夢」
「まあだだよ」
テレビアニメの
「未来少年コナン」
も池辺晋一郎作品です。
モノが動き出す魔法といえば
マッチ棒が動き出す…
モノが動き出す…
そして行進する…
といえば
この曲から
デュカス作曲
「魔法使いの弟子」
を連想するのは私だけではないはず。
私だけかしら。
参考までに魔法使いの弟子について
ゲーテ原作
「魔法使いの弟子」
を基に
1897年デュカスが作曲した管弦楽曲です。
ディズニーのアニメ
「ファンタジア」
でも知られています。
ストーリは
年老いた魔法使いの留守中に見習いの弟子がやらかしてしまったお話。
師匠に水汲みをやっておくよう命じられていた弟子
めんどくさくて
ほうきに魔法をかけて働かせます。
(気持ちはわかる。)
ほうきに魔法がかかり動き出します。
一本二本と増えていき
最後には
行列を作って
バケツを持ったほうき達の行進。
その場面が
生き生きと不思議な雰囲気で描かれています。
不気味面白い。
そんな言葉があるのか知らんけど。
ちなみにこの話、
魔法使いの弟子は魔法の止め方を知らないのです。
だから
ほうきが止まらない。
水はどんどん溢れる
弟子は魔法でほうきを粉々にする
すると
破片が箒になって水汲みをする
どうする絶体絶命…
のタイミングで師匠が帰宅。
見事解決というお話です。
まだご覧になったことのない人はぜひ
「ファンタジア」
おすすめです。
音楽と時代は切り離せない
「マッチ棒ってなに?」
ですよね。
令和の子どもの中にマッチ棒を見たことある子どもは何割いるのかな。
「火をつける道具でね。シュッっと箱をこするの」
「小さな棒の先に丸い帽子みたいなのがついてるんだよ」
「こんなの(画像をスマホで見せる)」
説明が大変です。
「マッチ棒のマーチ」が発表されたのが2008年
まだ20年くらいしかたっていません。
まさかその頃には
マッチ棒がない世の中になるとは思っていなかった。
ポピュラー音楽ではよくこの問題が取りあげられますよね。
「電話のダイヤルを回す」
「ポケベルを鳴らす」
というような言葉が理解不能だと。
「音楽は時代とは切り離せない」
という分かりやすい例ですね。
歌詞だと意味不明なので気付きやすいのですが
音楽そのものでも同じことを頭におく必要があると思うのです。
音楽には普遍的な部分とそうでない部分があるという。
「早く演奏する」
という速度表示。
馬車のスピードが最速だった時代と
新幹線の速度が日常の今の時代では
「早い」
のスピード感とは違います。
「魔法」
「暗闇」
の言葉の持つ不気味さも
「日の出」
「月の光」
の明るさも
言葉の持つ意味が全く同じではないということ。
「その時代の通り再現しなければいけない」
というのではなく
その逆
「今の時代の私の感覚が全てではない」
ということに気付くか気付かないか。
このことは演奏だけでなく
鑑賞の際
より深い楽しみを感じられると思います。
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