グルーバー作曲【聖夜】ピアノ演奏難易度②
ピアノ発表会難易度別曲紹介
教会は楽器のひとつ
グルーバー作曲
【聖夜】
「聖夜、きよしこの夜」はクリスマスキャロルの一曲。
教会などでキリスト生誕のお祝いに歌われる歌です。
「あわてんぼうのサンタクロース」とか「赤鼻のトナカイ」など愉快で楽しいサンタさんの歌とは少し違って、宗教的な色合いが強い曲。
明瞭な区分というより、クリスマスを静かにお祝いする歌の一つということ。
私はキリスト教系の学校に通っていたのでミサ(学生達はごミサと言います)に何度も参列しています。
クリスマスキャロルも数々歌いました。
キリスト教の信者ではないのですが。
それで思うのですが、讃美歌はものすごく優秀なキリスト教の布教ツールだと思います。
教会の(とくにカトリックの)中で周りの人たちと一緒に讃美歌を歌っていると、反響を含む教会の雰囲気で歌が何割増しにも聴こえてしまいます。
それはもう神秘的。
神様を信じてしまうのもわかる…というか何というか。
音楽的に考えると、曲は演奏される楽器や演奏者の技術によって大きく変わります。
同じくらい演奏場所も重要だと思うのです。
讃美歌は間違いなく教会の音響ありきで考えられた曲が多いような。
ですから、もしまだ一度も教会に行ったことのないなら教会の中で讃美歌を聴いてみてほしいです。
コンサートホールで聴く印象と違うと思います。
讃美歌、キャロルにとって教会も楽器の一つかなと。
平和を願う気持ちの継承
この曲はザルツブルクの聖職者モーアが作詞し、オルガニストのグル―バーが曲を付けたものです。
何と世界300以上の言語で歌われているそう。
初演は1818年12月25日オーストリアの聖ニコラウス教会。
クリスマス・イヴの前日に教会のオルガンが壊れたため、急遽ギターで伴奏できる讃美歌を作曲したのが誕生のきっかけとなったとか。
当時のザルツブルクはフランス、バイエルン、トスカーナ、バイエルンとめまぐるしく支配者が代わっていました。
1816年ようやくオーストリアに属することになり待ち望んだ平和がやってきました。
そんな背景もあり、この曲は民族の和解と平和を望み書かれたのでしょう。
第一次大戦で、塹壕(ざんごう)をはさんだ独と仏英の兵士が、クリスマスに戦闘をやめ、互いに歌ったというエピソードがあります。
作曲者たちの想いが国境を越えて継承されたのですね。
この曲が好きな人へのお勧め
【ああ、ベツレヘムよ】(讃美歌)
【アメイジンググレイス】(讃美歌)
【パッヘルベルのカノン】(パッヘルベル)
【アヴェマリア】(グノー)
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