グスタフ・ランゲ作曲【花の歌】ピアノ演奏難易度⑩

ピアノ発表会 演奏難易度別曲紹介

色とりどりの花束を選ぶ人に最適

色とりどりの花

演奏難易度⑩

グスタフ・ランゲ作曲

花の歌

 

お花屋さんで花束を注文するとき

同一カラーのグラデーションとかではなくて

赤白黄色ピンク紫…

色とりどりのブーケを選ぶ人に弾いてほしい曲

 

エレガントなメロディーと伴奏ではじまり

ドラマチック部分を経て

絢爛豪華なクライマックスへとつながる展開は

王道恋愛映画のよう

 

日常生活ではなかなか映画のような

ドラマティック展開は望めませんので

音楽ぐらいはこういう

安心、王道のドラマティックに浸るのも

楽しいものです

 

大きく飛ぶ音は舞うバラの花びら?!

グスタフ・ランゲのはサロン音楽の名手で

ドイツロマン派のお手本のような作曲家

 

情緒的で感情に訴えかけようとする所は

まさにロマン派ですが

理性的で知的というバランスが絶妙

 

演奏はけっこう大変で

演奏者は優雅な気分に浸るには

相当な練習が必要。

 

まず最初部分、左手伴奏が

いきなり大きく跳躍します。

跳躍は一回では済まないのが辛い…。

そして荒々しい部分を経て

「微風のように早く」

という表記のある部分も強敵。

一生懸命(に見えないように)

さりげなーくサラサラと弾くのです

微風ですから!

 

そして

ラスボスは中間部

オクターブの連続と

大きく跳躍するメロディー

聴衆はうっとりする部分ですが

演奏者は必死のピーク。

 

この曲は発表会の定番曲で

音楽教室ぴあぴあの発表会でも

色んな子供が演奏してきましたが

「みんな頑張ったよな~」と

この曲を聴くと私はいつも

演奏した子どもの顔が順に浮かんできます。

 

絶対的な美の基準と瞬間を切り取った美

この曲は大人気の曲で私も好きなのですが

「私の中にない感覚」

を感じる部分は多いです。

それはなぜかというと

西洋の人たちが感じる

「絶対的」

な感覚が私にあまりないから

という気がします。

 

恐らくこの曲について

ある種の違和感を感じる人は

私と近い感覚をもっているのかもしれません。

 

例えば

「神は唯一絶対一人のみ存在する」

という西洋の常識に対して

「八百万の神」

「ものには神様が宿る」

というのは非常識ですが

日本では別に非常識ではありません。

 

同じように

「絶対の美は存在する」

と西洋では信じられている気がします。

だから

ミロのヴィーナスは

「黄金比=最高の美」

ということになるのでしょう。

 

けれども

「見返り美人図」

は振り返っている赤い着物の彼女が

「絶世の美女」ということではなくて

歩いていた女性が

ふと振り返った姿が美しかったという

「瞬間の美」

をとらえたものです。

 

昭和生まれの私としては

散り行く桜の花びらを見て

感情が高ぶってしまうというわけです。

 

もちろん、

自分の中に、あまりない感情を

音楽と通して知るのは

楽しいものです。

 

サロン曲の作曲家色々載せていますので

ご参照くださいね。

ショパン

グルリット

ベール

リヒナー