誰でもピアノが弾けるようになる簡単なステップ(その2・実践編)

ピアノの前に座ったら一体何からすればよいのでしょう。

積み重ね

練習の王道

普通、ピアノの練習はまずウォーミングアップをしてから始めます。

けれどもそういう手順のことはまた後日お話するとして

今回は初めて弾く曲にどのように取り組むのかというお話です。

 

練習には王道があります。

というか

王道しかありません。

「少しずつ」

「片手ずつ」

「ゆっくり」

「何度も」

という方法です。

プロのピアニストも、始めて半年の子どもも同じです。

必殺技はありません。

つまらないけど事実です。

すみません。

少しずつってどれくらい?

初心者の子ども達が発表会で弾く曲は大体30小節くらい(テキスト見開き2ページほど)の構成です。

始めて練習する曲ですから

最初から通して両手で弾くなんてもちろん無理です。

 

では片手なら?

それでも通しては無理ですね。

 

では一段4小節くらいならどうでしょう?

それでも難しい?

では1小節では?

 

弾ける気がしてきますね。

 

もし1小節が難しければ

最初の音符4つならどうでしょう?

 

片手で、ゆっくり、音符4つだけ。

指番号の通り、

他の音に触らないように。

それをまず完璧に弾くことを目指して。

毎日それだけやってみる。

 

「これなら出来るかも」

と思える量、それが適切な量です。

 

4つの音符をミスなく弾けるようになったら、4つ目の音符に付箋を貼って今日の練習は終わり。

 

次の日は付箋の目印の次の音符、つまり5つ目の音符からまた音符4つ。

昨日弾いた所は余裕があれば弾いて下さい。

でも短時間で練習を終わるのなら続きから練習しましょう。

今日も音符4つ分。

指番号の通り、他の音を触らないように

ゆっくり ゆっくり。

5つ目から9個目までミスなく弾けるように…。

出来たら付箋を貼って

出来なければ付箋は動かさないでそのまま終了。

「明日は弾ける!」と呟いてピアノをはなれましょう。

 

少しずつの量は人によって違います。

今持っている力で無理なく弾ける量。

「これなら弾けるかも」

と、思える量です。

 

「ゆっくり」ってどれくらいの速さ?

これも同じ。

今日練習する部分を自信を持って弾ける速さです。

 

その量を最小単位に完璧に弾けるようにするのです。

 

それが練習です。

 

5回練習して弾けなければ

スピードを落としましょう。

あと5回練習しても弾けなければ

さらに落としましょう。

 

音楽は時間と密接に関連しているので

とてもつまらなく感じると思いますが、

急がば回れです。

どんどん遠慮なくスピードを落としましょう。

 

「何度も」って何回くらい?

回数は決めた方がいいです。

気持ちがのってきて

回数以上練習するのはもちろんいい事ですけど。

 

練習に向かうモチベーションがあがらなくても

「○回だけ。」

「弾けても弾けなくても」

「ここから、ここまで。○回やれば終わり」

というルールが決まっていれば

練習を始めるのが苦ではなくなります。

 

30小節を10回弾くのは大変ですが

1小節を10回ひくのはそんなに大変ではないはずです。

合わせて10小節ですからね。

 

5回からはじめましょうか。

 

そして、回数は何かモノを使って数えて下さい。

例えば

ビー玉を5個小さなお皿に準備して

1回ひいたらビー玉を瓶にうつす。

とか

ホワイトボードにマグネットを5つはっておいて

1回弾いたらマグネットを移動するとか。

計算ドリルと違って

練習回数を重ねても成果を目で見て確認できませんので

出来るだけ見える化した方が良いように思います。

 

ゴールの設定

子ども達には、レッスンごとに無理のない範囲の宿題をだしています。

楽譜に

「ここまでを次回までに片手で弾けるように練習してくること。」

 」○/○(日付)片手

という意味の目印を記入しています。

 

そこまでは譜読みが出来ているので、1週間練習してみてください。

せっかく毎日練習しているのに曲が進まない場合、

毎回曲の頭から通して弾こうとしている可能性が高いです。

 

毎回最初から練習していたら、最初の部分だけは上手く弾けるようになるけれども同じ個所でのミスは治らないですね。

そして弾けないところで止まってまた最初にもどる…。

これを繰り返すことは最初の弾ける部分の上達だけしてしまいます。

時間もかかるしやめましょう。

 

慣れたらどこが苦手でどこが得意か、覚えていられますけれども最初はそうはいきません。

 

だから付箋で目印をつけ、次はすぐにそこからはじめられるようにするのです。

弾けるようになったら付箋をつける。

練習では付箋の続きから練習する。

今無理なく練習できる範囲を完璧にする。

この調子でとにかく最初から最後まで

片手ずつゆっくり弾けたら次は両手で同じことを繰り返します。

 

何とか最初から最後まで、ゆっくり弾けるようになったら次の段階の練習にはいります。