芦屋市だんじり巡行の日に考えた純正律と平均律
10月8日、9日はだんじり巡行です
芦屋市では、10月9日秋祭りが開催されます。
そして8日9日はだんじりが巡行。
3年ぶりだそうです。
我が家は「西之町」に属していて、
レッスン室の横を
「コンコンチキチン」
とお囃子を響かせて山車が通っています。
だんじり巡行日のレッスン風景
Aくんは好奇心旺盛な5年生の男の子。
ピアノと算数が大好きな生徒です。
中学受験の勉強で忙しい中、レッスンを続けています。
以前ほど練習はしていないけれども、
気に入った曲を一曲だけ少しづつ仕上げていくスタイルで出来るだけレッスンは続けたいという本人の希望を尊重しています。
だんじり巡行の日がレッスン日と重なり
窓の外をだんじりが賑やかなお囃子を響かせて通っていました。
Aくんが見たがったので、
窓を開けて二人でしばらく見物していました。
ふとAくんが
「先生、あの音ピアノで弾けるかな?」
と言いました。
Aくんは絶対音感があるので、簡単な旋律ならピアノで再現できます。
そして音遊びが好きで、よく一緒にCMソングやゲームの効果音などを耳コピして遊んでいました。
それから、鳴り物と太鼓の掛け合いをピアノで再現。
あれこれ言いながらいつものように遊んだ後、
「でもこれはあの音とは少し違うよね。ピアノで弾けない音やね。」
とAくん。
鋭い。
そして面白い。
なぜなら、それは平均律と純正律という音の原点の話だからです。
「日本の楽器の音だからだせないの?」
と鋭いAくん。
半分正解です。
ピアノは音域が広いので万能感がありますが、
実は出せる音があらかじめ決められているという不自由な楽器なのです。
平均律と純正律
西洋音楽で使われている音は全部で12個。
これは、昔々ピタゴラスが発見した法則を使って便宜上音を12個に分類配置しただけなのです。(先人たちのすごい発見ではありますが。)
これを平均律といいます。
ピアノの音はこの平均律でできてます。
そして西洋音楽は、この平均律を使って作曲されているので、どんな楽器で演奏した曲でもピアノで再現出来るのです。
でも音が全部で12個だけなはずがないですよね。
これは、機械でホールのケーキを12分割したみたいなことです。
全部同じ大きさ。
同じ角度。
イチゴがどこにのっていようが、誕生日プレートがあろうがお構いなし。
機械的に全宇宙にある音を12個に強制的に分割配置したということ。
でも、本当の音の響きはそんなに単純明快なものではなくて
例えば、本当に一番美しく響く「レ」は少しだけ高くて、「ミ」少し低いのです。
子供たちには少し大き目に、おばあちゃんの分は小さめにカットする…みたいな繊細な12分割なのです。
これが純正律。
和音を響かせて二つを比べると、純正律の方が濁りなく響きます。
自分で音を作り出す弦楽器、管楽器などはこの純正律で演奏することが出来ます。
せっかくレアな話になったので、この日はヴァイオリンを持ち出してきて平均律と純正律の説明を(私のわかる範囲で)しました。
最後は宇宙の神秘について二人で語り合ってこの日のレッスンを終了。
A君は随分この話に食いつき、家でも興奮して話していたとお母様からご連絡がありました。
元々算数が好きだったので数学的な法則の話が面白かったのでしょうね。
だんじりのお囃子演奏者もこんな話をされているとは
夢にも思っていないでしょうね。
一日お疲れ様でした。
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