J.S.バッハ伝ペッツオールト作曲【ト長調メヌエット】ピアノ演奏難易度⑥

ピアノ発表会難易度別曲紹介

繊細な響きが好きな子ども、手が小さくて幅の広い和音が掴めないけど子供っぽい曲はいやな子どもにもおすすめ

バッハ

ピアノ演奏難易度⑥

JSバッハ伝ペッツオールト作曲

メヌエット

 

規則的で落ち着いたリズム

適度にゆったりしたテンポ

和音が少なく旋律が美しい

そんな曲です。

 

ピアノを始めて何年か経って

左手(利き手の逆の手)を動かすことになれたら

弾いてみてほしい曲です。

 

複数のメロディーを同時に演奏する

ポリフォニーを体験する最初の曲として

おすすめ。

「メヌエット」は「ミニステップ」の踊り。カツラが落ちないようにご注意を

クラシック音楽にはカタカナの題名がよくでてきます。

ざっくりわけると3つ。

①原題そのまま(翻訳していないだけ)

例えば

「クシコスポスト」(郵便馬車)

「パスピエ」(ちょうちょう)

など

意味よりカッコよさをとったのかな。

ラルゴ(ゆっくり)

アレグロ(早く)

などは速度表示と同じことばですが

翻訳していない言葉として分類しましょうか

 

②曲の形式の名称

ソナタ

ソナチネ

など

「ソナタ形式」で作った曲ですよ

という意味

舞曲も

ある程度形の決まった踊りのために

作られた曲です。

ミュゼット

ガヴォット

メヌエット

など

17世紀、ヨーロッパでは

貴族が踊りを踊るための曲が

沢山作曲されています

踊りの種類によって

テンポ、拍子は大体決まっています。

 

③宗教的な題名

カンタータ

キリエ

アヴェ・マリア

など

クリスマスの曲も全てこの枠ですね。

3拍子の舞曲といえばワルツとメヌエット

子供たちが演奏する曲では

舞曲が圧倒的に多いかな。

 

メヌエットは

フランス起源の踊りで

17~18世紀に貴族の間で流行しました

 

メヌエットminuetto

minuはミニ(ちいさい)

ettoは少しだけという意味

 

音楽用語では(イタリア語ですけど)

アレグロallegro→アレグレットallergetto

アリアarea→アリエッタarrietto

などけっこうお馴染みです。

これらも元の言葉より少し○○という意味です。

 

ですから

メヌエットは

「少し小さめのステップで踊る踊り」

という意味になりますね。

 

17世紀の貴族たちが踊ったので

おしゃれな帽子、カツラが落ちないように

ソロリソロリと踊ったのかな。

 

子供たちには

「高貴な人々はバタバタしないでゆっくり動くのよ。」

「皇室の方たちはゆっくり動いてゆっくりお話しするでしょ?」

話しています。

 

3拍子のゆっくりした踊り

それがメヌエット。

3拍子が早くなるとワルツ。

ちょっと乱暴な分け方かしら…

でも3拍子舞曲の代表は

ワルツとメヌエットだと思います。

 

ペッオールトってバッハのペンネームですか?

違います別人です

「え?メヌエットってバッハの曲じゃないの?」

と驚く人も多いのではないでしょうか。

バッハが作曲したのではないそうですよ。

割と最近

1900年代に判明したらしいです。

 

このト長調メヌエットは

「アンナマグダレーナのための音楽帳」

という曲集に入っているのですが

この曲集はバッハが

妻の練習のためにまとめた曲集で

「初心者のための名曲選」

みたいなもの。

 

もちろん

バッハ自身が作曲した曲も

沢山入っていますが

クープラン

ベーム

などの曲も入っています。

 

紛らわしいのは

バッハが

ペッツオールトの名前を

載せていなかったのです。

 

それで

最近までバッハ自身の曲だと

思われていたのですね。

 

ペッツールトにしてみたら

せっかく後世に残る曲を書いたのに

手柄を横取りされたみたいで

お気の毒な気はします。

 

けれども、

そもそもバッハにしても

生前は有名人でも何でもなくて

オルガニスト兼作曲者時々教育者

という

普通の町の音楽家でした。

音楽家としては名前が知られていたと思いますが。

当時はまだ

音楽家が芸術家という位置づけではなかく

職人、職業音楽家

だったので当然なのですけど。

 

ですから二人とも

まさか200年以上たってから

この小さな「メヌエット」の作曲者がだれなのか

論争になるなんて思ってもみなかったことでしょう。

 

まだまだ書きたいことが沢山あるので続きは次回