JSバッハ作曲【主よ人の望みの喜びを】ピアノ演奏難易度⑤
ピアノ発表会難易度別曲紹介
激務「カントル」のお仕事
この作品が作られた18世紀当時、
「作曲家」の職業は一般的ではありませんでした。
バッハも作曲家ではなく「カントル」という
教会の音楽監督兼付属学校の先生でした。
「カントル」の仕事は多岐にわたります。
音楽的な仕事以外に、
教会付属学校の生徒達の教育
寮生のお世話
礼拝のための曲「カンタータ」の作曲
聖歌隊の指導
礼拝は毎週日曜日に開催されます。
司祭が聖書から引用する箇所つまりテーマは毎回違います
ですから
「カンタータ」の歌詞はテーマに相応しい曲を毎回7~8曲用意する必要があります。
想像するに相当な激務だったと思います。
結局バッハは生涯200曲ものカンタータを作ったそうです。
マリアが従妹のエリザベトを訪問した日
今回取り上げた「カンタータ」は
1723年に「マリア訪問祝日の礼拝」のために作曲されました。
神の子イエスを身ごもったマリアが
従妹のエリザベトを訪問したというエピソードがテーマです。
マリアは自身の受胎告知を受けたあとで
エリザベトの懐妊を知ります。
この時
エリザベトも身ごもっていたのです。
そこでマリアは彼女の力になりたいと考え
とにかく駆け付けたいうエピソードです。
「私は今大変な時期だから~とか言わないで、助けを必要としている人のために労を惜しまず手をさしのべましょう。」
という教えだと習いました。
構成は10曲の中の最後の曲です。
毎週新しい曲を作曲するのはもちろん大変なことですけれども
練習して歌う合唱団も大変だったと思います。
合唱するのはプロの精鋭ではなく
付属学校の合唱団なのですから。
その結果というか必然的に「カンタータ」は歌声を合わせやすいように作られています。
どういうことかというと
音の動きが緩やかでメロディーが平易に作られているのです。
音程を取るのが難しいほど音が飛ばないし、
リズムも単純なのです。
そして
その単純なメロディーを
伴奏で音楽的に補うため、伴奏は少し動きがあったりします。
ピアノだけで演奏すると実感がわかないかもしれませんが、
番動きの遅い部分がメロディーパートです。
器楽演奏も素敵ですけれども、ぜひ一度合唱団が歌っているのも聴いていただきたい一曲です。
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