J.S.バッハ伝ペッツオールト作曲【メヌエットト長調】その3ピアノ演奏難易度⑥
ピアノ発表会難易度別曲紹介
繊細な響きが好きな子。手が小さくて幅の広い和音が掴めないけど子供っぽい曲はいやな子にもおすすめ演奏難易度⑥
JSバッハ伝ペッツオール作曲
メヌエット ト長調
音楽の父は「ポリフォニー音楽」の育ての父
バッハの時代まで
音楽の主流は単旋律でした。
みんなで同じ旋律を歌う(演奏する)スタイルです。
これはこれで素敵。
「グレゴリオ聖歌」が有名なので
もし一度も聴いたことがなければ
おすすめですよ
ヒーリング音楽みたいな音楽です。
バッハは、そんな時代に
「ポリフォニーの音楽」
を主に作曲しました。
「ポリフォニー」は
二つの別々のメロディーを同時に歌い
その二つの旋律を調和させるという
音楽手法です。
これに対して
単旋律の音楽のことは
「ホモフォニー」といいます。
現在
複雑な音楽を聴きなれている私たちには
想像力が必要ですが
それまで当たり前に
「音楽というのは一つの旋律が流れるもの。」
と思っていたら
2人目の歌手が現れて
同時に違う旋律を歌うのですから
はじめてポリフォニー音楽を聴いた聴衆は驚いたと思います。
(ちょっと羨ましい気がします。)
「ポリフォニー音楽」は
バッハの発明品でははないですが
バッハが他の作曲家より熱心に
取り組んだのは間違いないと思います。
単旋律が
「人から神への語りかけ、祈り」
という一方通行なのだとすれば
ポリフォニーは
「神と人との対話」
のように感じたのかもしれないですね。
想像の域は超えませんが。
ポリフォニーに体感的に近いものとして
遊びですが
「パートナーソング」があります。
「ロンドン橋おちた」と「メリーさんの羊」
とか
「雪やこんこ」と「春が来た」
を同時にうたうと
不思議と綺麗に響き合うのです。
二つの独立した旋律の
音の重なりを感じるという意味では
近い感覚な気がします。
お暇なときにでも
親子で歌ってみては
いかかでしょうか?
相手につられないで歌うのが割と
大変ですけど楽しいですよ。
ポリフォニーを作る技術が「対位法」
1600年頃から約150年間の期間を
クラシック音楽では
「バロック時代」
と呼びます。
この時代には別名があって
「対位法の時代」
とも言われています。
「対位法」は
主旋律に対して別の旋律を重ねて
美しく響かせる方法です。
複数の旋律は2つとは限らず
3つ、4つもあります。
前述の「パートナーソング」は
和声進行、拍子、リズムが偶然同じなので
響きあうのですが、
「対位法」はそれを論理的に考えて
作り出す手法です。
バッハはこの方法を発展、確立させました。
「パートナーソング」
を相手につられないように歌うのが大変なように
ポリフォニーの曲を
それぞれの声部の旋律を把握して
演奏するのは難しいです。
旋律が2つならまだしも
3つ、4つと
声部が増えるにしたがって
演奏は難しくなりますし、
それを作曲するのはもっと大変です。
文字通りの「神業」かも。
バッハの
「インヴェンション曲集」は2声部
「シンフォニア曲集」は3声部
「平均律クラヴィーア曲集」は4声部
で書かれています。
これらの曲集を語り始めると
キリがないので
詳細には触れませんが
語りたいことは無限にあります。
音大を視野に入れている人なら
必ず弾かなければいけない3冊です。
2声部、3声部はまだ何とかなりますが
4声部が動いているのを見ていると
途方にくれるというか
自分の無力さを感じるというか
宇宙の中では私って小さな存在だなとか
それはもう目の前の楽譜からの現実逃避なのですけれども
そんな風に私は感じていました。
複数のものが完全に調和する
これはある意味「宇宙」です。
そういう意味で
「対位法」は
バッハにとっては
生涯かけて追及するべきものだったのでしょう。
天才は新しいことにチャレンジする
バッハは他にも色々な試みをしています。
例えば言葉遊びみたいなのですが…。
自分の名前を主題にした曲もあります。
どういうことかというと
私たちが普段音名として使っている
「ドレミファソラシド」
これはイタリア語です。
ドイツ語では
「CDEFGAH(B)C」
を使います。
バッハBACH
という名前の綴り
これは全て音名に含まれていて
「♭シ ラ ド シ」
を表します。
それでバッハは
自分の名前
「♭シラドソ」
作品の主題にした作品を作りました。
神との対話のメッセージに
自分の名前を入れたくなったのですかね。
ついでに
その「♭シラドソ」という音階を記譜して
線で結ぶと
十字架のように見えるといわれています。
人によっては「バツ印」しか見えませんけど
バッハには十字架に見えたのかな。
「信じるか信じないかは、あなた次第」
です。
JSバッハは
音楽通して神と対話し、
音楽の中に
小宇宙を作った作曲家
なのです。
ペッツオールトさんの話がいちミリも出来なくてすみません。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません