2025年2月体験型音楽プログラム曲紹介 ビゼー作曲 アルルの女より【メヌエット】
体験型音楽プログラム曲紹介
子供向け体験型音楽プログラムを開催するにあたり
当日演奏予定の曲の紹介をしたいと思います
このプログラムは
座って音楽を楽しむのではなく
子ども達が身体全体で
全力で楽しめるものにしたいのですが
同時に
子供だましにしたくないとも考えていて
保護者の皆様も楽しんでいただけるようにと考えております
子ども達との会話は「子供だまし」ではなく真剣勝負で挑むのはなぜか
童謡など入れつつ
プロの演奏家が演奏する
クラシック音楽を楽しんでいただく予定です
保護者も楽しみになさって下さいね
ジョルジュ・ビゼー作曲 組曲「アルルの女」より「メヌエット」
「アルルの女」といえば「メヌエット」と言われるくらい有名な曲です
元は「美しきパースの娘」という劇の付随音楽でしたが、
現在では劇中で演奏されるというより
組曲「アルルの女」の1曲として
広く親しまれています。
アルフォンス・ドーデ作の短編小説を
戯曲化する際
付随音楽をビゼーが作曲を担当しました
一応ストーリを簡単にご紹介すると
物語の舞台は南仏プロヴァンス地方アルル
青年フレデリが美しい娘に一目ぼれをします。
そして
婚約者を捨てて追いかけるのですが
彼女は別の男と駆け落ちしてしまいます
絶望したフレデリは
自ら死を選んでしまったのでした
という悲しい物語です
私のあらすじ紹介が雑すぎるとはいえ
このストーリーに対して曲が美しすぎる印象です
ちなみにメヌエットというのは三拍子のゆっくりした踊り
こちらで少し説明しています
J.S.バッハ伝ペッツオールト作曲【メヌエットト長調】ピアノ演奏難易度⑥
音楽的には
三部形式で構成されてます
それは
主なメロディーがAとBの二つあり
A→B→Aと進むサンドイッチのような形で構成されています
ポップスでもよく
Aメロ Bメロ とかいうあれです
A部分(主部)
ひたすら優雅で穏やかうっとりするメロディー
B部分(中間部)
表情豊かで陰影があり、少し物悲しい雰囲気
そしてまた
A’部分(再現部)
管弦楽では音の厚みが増して豪華になります
最後は
次第に音量を落としていき優雅に終止
というシンプルな構成です
魅惑のプロバンス地方
アルルはフランスのプロバンス地方の都市です
「地方」と言ってますけれども
日本の市町村のような区割りという認識ではない感じ
ヨーロッパは歴史的に
支配と被支配者を繰り返した都市が多いため
「地域」というより
気持ちは「独立国家」くらいの勢いで
その地域への愛着がある気がします
(個人的な感想ですよ)
プロバンス地方は
もちろん
観光地としても有名ですが
何といっても
「夜のカフェ」
「ファンゴッホの心室」
「ローヌ川の星月夜」
「アルルの女」
を描いたゴッホ
セザンヌの風景画に度々登場する
「サントヴィクトワール山」
で世界に認知されているのではないでしょうか
気候が温暖
自然が美しい
食べ物もおいしい
ブイヤベースなど絶品です
オリーブオイル、タイム、ローズマリーなどの産地でもあるので
使い方が上手なのかな
そういった様々な要素に加えて
住人達のこの地への愛着が混ざった結果
「プロバンス風」
という文化が出来上がったのでしょう
古い石造りの家を
丁寧に手入れしながら住み
マルシェで買った
新鮮な食材と庭のハーブで
料理を作り
地元の自然と古い建造物を楽しみながら散策する
といった
元祖スローライフ
丁寧なくらし
それが「プロバンス風」です
「アルルの女」の作者は
プロバンス地方出身ですから
この悲劇の物語を
プロバンスの自然の美しさと
対比させて描いたのかも
そういえば
昔見た
「プロヴァンスの贈りもの」
という映画にも確か
この曲が使われていました
その映画の中でも
人間のチマチマした
喜怒哀楽と対比させるように
プロバンス地方の自然、
文化が描かれていて
そういった場面で
この曲が使われていた気がします
リドリースコット監督
ラッセルクロウ主演
なのですが
マリオン・コティヤール
がとにかく美しかったです
プロヴァンス関係ないけど…
ちなみに
この映画の原作者は
小説「プロバンスの12か月」の作者
私の大好きな小説です
小説といえば
「アルルの女」の作者
アルフォンス・ドーデは
小説「最後の授業」の作者です
中学生の頃
教科書で読んだ気がするのですが
中学生の息子の教科書には
載ってないです
この短編は
言語の大切さや
文化的アイデンティティを伝えるという内容
「ある民族が奴隷となっても、国語を守っている限り牢獄の鍵を握っているようなものだ」
という一説が印象的でした
こういう題材は近頃の教科書では扱いにくいのかな
「多様性の時代」だからこそ
地に足をつけて
自分のアイデンティティについて
考えるのが必要な気がしますけど
第1回体験型音楽プログラム実施は
2025年2月23日(日)
10:00~
芦屋市民会館で行います