2025年2月 体験型音楽プログラム 曲紹介 フォーレ作曲【シシリエンヌ】 

体験型音楽プログラム 曲紹介フォーレ作曲 シシリエンヌ

霞がかかったような風景画が好きな人におすすめ

小川の風景画
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光と影と霞を感じる風景画のような曲

フォーレ作曲 

シシリエンヌ

 

優雅な旋律が魅力的

朝もやに包まれた森の中のような

ゆっくりと時間が流れ

幻想的な雰囲気を感じる

そんな曲です

 

フランスの画家

コローの風景画

「ニンフの踊り」

のような感じかな

 

元はメーテルリンク作

「ペレアスとメリサンド」の

付随音楽として作曲されました

 

物語の内容は

深い森の中で

泉のほとりに迷い込んだ少女メリザンド

彼女を妻とするゴロー

その弟ペレアスが繰り広げる

悲劇的な恋愛物語です。

(雑な説明すみません)

 

この物語は

そんなに有名ではない(と思います)が

付随音楽の「シシリエンヌ」は

名曲として知られていますね。

 

今回のプログラムではフルートでの演奏ですが

チェロでの演奏もよく知られています

 

オリジナルはオーケストラで演奏されましたが

フォーレはその中から4曲選んで

組曲としてまとめました

 

その中でも

「シシリエンヌ」

は特に人気が高く

単独で頻繁に演奏されます

 

「シシリエンヌ」

「シシリアンヌ」

「シチリアーノ」

「シチリアーナ」

など、様々な呼び方で聞かれたことがあるかもしれません

 

「シシリエンヌ」

「シシリアンヌ」

これはフランス語

フォーレはフランス人なので

曲の名称としてはこちらが正解

 

語尾の違いは

女性名詞と男性名詞の違いかな多分

(調べてなくてすみません)

 

「シシリエンヌ」

こちらが一般的だと(多分)思います

 

一方

「シチリアーノ」

「シチリアーナ」

こちらはイタリア語

曲名ではなく、

イタリアのシチリア島起源の

舞曲や楽曲を指します

 

ゆったりした6/8拍子の

穏やかなリズム

単純で素朴な旋律は

牧歌的な雰囲気

 

そんな形式をベースに

フォーレ特有の繊細な和声の移り変わりと

メロディーと伴奏の絶妙なバランス

そして所々に現われる意外な響きで

作られた曲なんです

 

静かにじっくり味わいましょう

 

羊飼はただの職業名ではないという話

今回のプログラムでは

フルートで演奏するということもありますが

ちょっと羊飼いが吹く笛のような

雰囲気がしませんか

 

羊飼い

牧場

牧歌的

ってヨーロッパではとてもなじみ深いワードです

 

シチリアーノは

イタリア発祥の音楽ですが

同じ

イタリアの音楽に

パストラーレ

というのがあります

ブルクミュラー25の練習曲

よく知られています

 

とても雰囲気が似ていて

牧歌的、田園的で

6/8拍子のゆったりしたリズム

です

 

パストラーレの方がより素朴

シチリアーノは洗練されている

という違い

 

キリスト教を背景にもつ

ヨーロッパの芸術を鑑賞するときに

「シンボル」

「象徴」

があるのを知っておくのは

意義深いことです

 

例えば

魚が

「イエスキリスト」

の象徴だったり、

百合の花が

「聖母マリア」

のシンボルに使われたり

 

ぶどうの木

パン

などなど

あります

 

そして

羊、羊飼いは

「善良」

「善人」

のシンボルと考えられることが多いようです

 

「私は羊飼いである」

というのは

イエスキリストの言葉

 

羊飼いは信者を守る存在として崇められてきました

 

また

クリスマスの劇などで演じられるのですが

最初にキリストの誕生を知らされたのは

羊飼いでした

 

プロテスタントの司祭が

「牧師」

と呼ばれるのも

同じ理由なのでしょう

 

この曲を

フォーレが宗教的な意味で描いたということはありませんが

善良、平和のシンボルの

羊飼い

その笛を連想させるような

この曲を聴いていると

心に安らぎが

もたらされる

 

そんなことを考えたりします

 

第1回体験型音楽プログラム実施は

2025年2月23日(日)

10:00~

芦屋市民会館で行います