リトルモーツアルト曲紹介ドリーブ作曲「マズルカ」~コッペリアより~

コッペリアより「マズルカ」

バレエ

バレエ音楽の芸術性を高めた作曲家

コッペリアは、全体的にフランス音楽特有の洗練された優美さと、繊細さを感じられる作品です。

ドリーブは「踊りのための伴奏」にすぎなかったバレエ音楽を

音楽単体で楽しめるものへと高めた作曲家です。

少し後に作られたチャイコフスキーの3大バレエにも多大な影響を与えた作品のようです。

人形が紡ぐ想像力

コッペリアは「コッペリア、または琺瑯の目をもつ少女」

というサブタイトルがついています。

琺瑯(ほうろう)の目、つまり人間ではなくお人形という意味です。

原作はホフマンの小説「砂男」を基にした物語。

人形師コッペリウスが作った美しい人形コッペリアに恋する

若者フランツとその恋人スワニルダの恋模様を描いています。

 

ピノキオ、くるみ割り人形、トイ・ストーリーなど、

人形を題材にした作品は数多く存在します。

なぜこれほど多くの芸術作品が人形というモチーフを選ぶのでしょうか。

それは、子どもたちにとって人形が特別な存在だからでしょうかね。

 

お気に入りのぬいぐるみがボロボロになっても手放せなかったり

人形に名前をつけ、まるで妹や弟のように話しかける子どもの姿は、

今も昔も見られる光景ではないでしょうか。

 

人形は子どもの想像力を育む最初の友達であり、

感情移入の対象です。

「この人形はどんな気持ちかな?」

「もし動き出したらどうするかな?」

—そんな問いかけ誰もが経験あるのではないでしょうか

この音楽もそんな風に親子のコミュニケーションを豊かにしてくれるかもしれないですね。

そういう意味で、バレエ『コッペリア』は親子で鑑賞し、

対話を深めるのに理想的な題材です。

人形が本物の人間になるという普遍的なテーマを、美しい音楽と舞踊で表現したこの作品は、

子どもの感性を育みながら、芸術への扉を開く素晴らしい入り口となるでしょう。

マズルカについて

この曲は沢山の民族的な舞踏がでてくるのが魅力の一つなのですが

中でも特に魅力的な部分のひとつが「マズルカ」です。

この曲は第1幕で、村の広場での祝祭の場面で演奏されます。

マズルカはポーランド発祥の伝統的な舞踊で、3拍子のリズムに特徴があります。

ワルツなどと違って2拍目3拍目にアクセントがくるんです。

ハンガリーの民族舞踏チャルダッシュがでてきたり、コッペリウスが作ったカラクリ人形たちが踊るシーンがあるのですが、

中国、スコットランド、スペイン、フランス、道化師や騎士といった人形たちが様々な踊りを踊る場面は本当に面白いです。

いかに人形っぽくおどるのか…というのがバレリーナたちの腕の見せ所といた感じ。

バレエを習っている子供たちには絶対みてほしい作品

コッペリアは世界中のバレエ団がレパートリーとして上演しています。

音楽も組曲として独立して人気がある作品です